SONY ICF-SW7600 修理 (2018/05/20)
ひょんなことから SONY ICF-SW7600 を修理することになりました。
症状は・・・
AM 受信はOK ですが「受信中にパリパリ音」がする。
FM 受信できず。

英語版サービスマニュアルをダウンロードして・・・
回路図を見てびっくり!「通信機型受信機」です。
気合が入っています。

とりあえず???な場所を探すために シグナルインジェクター を作りました。
( とは言っても単にSGから信号を注入するサーチ針です ディップメータでもOKですけど周波数安定度がイマイチなので・・・ )

 

 

 超 て・き・と・う なサーチ針ですけど「オカシイ」場所を探せます。(ありあわせの部品で作りました)

 ※ 受信機修理の暗黙のルール 最初にAF部分の動作確認をして AF → 復調 → IF の順に各部をチェック

 この時点で、AF AMP と IF・復調 部分は問題ない事がわかりました。

 怪しいのは、FM の RF AMP  または FM VCO あたりがたぶんオカシイ ???

 回路図を眺めながらインターネットで同じような症状を検索してみると
 「DC-DCコンバータのチップ電解コンデンサ不良」でAM受信時はパリパリノイズが発生する・・・

 たぶんこれだね!!

 主要原因は DC-DCコンバータの「チップ電解コンデンサの不良」と断定?



 それでは久しぶりに、チップ部品リワーク用 「秘密兵器」!!

 

 でも・・・最初の1個目で



 結局、「ハンダこて二刀流」で外しました(^^;


 実際にDC-DCコンバータ部分のシールドケースを外して、チップ電解コンデンサを交換してみるとAM受信時のバリバリ音は無くなりました。
 またFMも受信できるようになりました。

 結果として

 不具合原因はDC-DCコンバータのチップ電解コンデンサ不良



 修理!本格的に開始?・・・

 電解コンデンサ劣化による不具合なので問答無用で最終的に全部交換しました。

  外してみるとチップ電解コンデンサの液の匂いがプンプン!! だめだこりゃ?

 交換部品 電解コンデンサ全部(メモリバックアップ用のキャパシタは除く)

 C2  47μF 6.3V
 C22 47μF 6.3V
 C30 47μF 6.3V
 C34 47μF 6.3V
 C38 47μF 6.3V
 C61 47μF 6.3V
 C64 4.7μF 35V
 C65 4.7μF 35V
 C68 22μF 6.3V
 C69 220μF 4V
 C71 47μF 6.3V
 C73 10μF 16V
 C89 47μF 6.3V
 C108 47μF 6.3V
 C111 22μF 6.3V
 C113 47μF 16V
 C114 100μF 6.3V
 C115 100μF 6.3V
 C116 47μF 16V
 C117 100μF 6.3V
 C119 1000μF 6.3V
 C121 470μF 10V
 C221 47μF 6.3V
 C122 470μF 10V
 C127 22μF 6.3V
 C125 22μF 6.3V
 C132 47μF 16V



 修理時間 20時間くらい

   時間かかりすぎかな? 調べたり? 小道具を作ったり? まあ!そんなもんですよ? 趣味の世界ですから (^^;



 修理前


 修理後



 電解コンデンサを外すのは問題ないのですが・・・
 取り付ける時は、取り付ける順番を考えないと電解コンデンサが取り付けられない事態が発生するので
 取り付け順番を頭の中でシミュレーションしてから取り付けます。



 もう、おしまい!!と思ったのですが・・・やはり気になるので残りの電解コンデンサも交換して

 結局、電解コンデンサ全部交換

 DCコネクタを外して電解コンデンサを外して交換?
   


 コントロール基板の電解コンデンサも交換

 ハンダこて二刀流で外します

 

 ちっと大きい電解コンデンサを取り付け・・・

 

 LAMPボタンを「押す」と「しばらく点灯」して消えます・・・ 減光式ランプですね?





 調整

 やっぱり調整が必要でした。

 FM用のVCOが???

 まずはVCO電圧を測定する準備

 測定場所に線をハンダ付けして「デジタルテスター」(アナログテスターはNG)で測定

  


 英語版のサービスマニュアルを見ると 108MHz の時 バリキャップの電圧が 12.4?12.6V
 実際に測定してみたら 14.5V ???

 FM  VCO のコイル調整は 調整用セラミックドライバー を使用します。
 ※ 間違っても精密ドライバーで調整してはダメですよ?


 基板がショートしないように、キッチンペーパーで絶縁してます(^^;

 中をとって12.5Vにセット



 調整が終わったらVCOコイルのコアが動かないように・・・
 1982年頃、熊本シティースタンダードを作る時に使用した10kコイルのコアを固定するアイデア
 「ろうそく」の「ろう」の部分、
 大きさは米粒半分くらいをコアの上に置いて、
 ハンダこての「こて先」で「ろう」をとかして・・・
 「ろう」が流れ込んだらハンダこてを離して、流れ込んだ「ろう」が固まったら固定完了?
 
 ※ あたため過ぎると熱でコイルのプラスティック部分が溶けるから注意?

 この方法ならコアを再調整する時・・・
 ちょっと、こて先でコアを熱すれば「ろう」がとけます

 あくまでも自己責任で・・・



 動作確認中 ローカルの AM/FM放送局 受信できます(^^;






 気になる感度・・・

 外部アンテナ端子から信号を入れて TUNE ランプが点灯した時の信号強度を測定します。 超? て・き・と・う (^^;
 ( SG 50Ω ジャン測を修理して使用しているので だ・い・た・い ですね! )

 153kHz 70dbμ

 300kHz 60dbμ

 603kHz 59dbμ

 1260kHz 52dbμ

 2MHz 38dbμ

 4MHz 28dbμ

 8MHz 26dbμ

 16MHz 18dbμ

 29.9MHz 28dbμ

 76MHz 42dbμ

 90MHz 43dbμ

 100MHz 55dbμ

 108MHz 66dbμ



 とりあえずこれで修理完了?

 ジャンクの ICF-SW7600 を発見したら購入しよ?っと (^^;

 でも・・・

 全部、電解コンデンサを交換するのは・・・

 たぶん?これが、最初で最後です~